長期投資研究ブログ~50年後の未来~

米国、日本株の注目企業分析、新テクノロジー分野の市場分析

TVストリーミングを提供しているROKU。TV業界のディスラプターの急成長の要因に迫る。

衛星放送離れが増している中、ストリーミング型のビデオプラットフォームで勝機を狙うROKU

 

店頭で売れているスマートテレビの約4分の1は、ROKUのTVであるという統計があるほど市場を思うがままにしてるROKU。現在、ケーブルテレビなどの通信衛星テレビの解約率は年々増加しており、ストリーミング型のテレビ番組の需要が増加してる。

 

2つの側面を持つ収益性

Rokuは、$30から$100程の幅で店頭でストリーミングボックスと呼ばれるビデオやテレビ番組を見るためのTV接続型プレイヤーを販売している。カナダやメキシコ、イギリス、アイルランド、フランスと海外販売も積極的に展開しており海外売り上げ比率を今後の伸ばしていく戦略を取っている。

もう一つの収益源として、プラットフォーム上での売り上げがあり、主に番組の初めに流れる広告からの収入である。また、有料会員からのサブスクリプション料金も重要な収益源である。

 

ROKUの驚異的なアクティブユーザー数

Rokuの利用者数は四半期ごとに常に高い成長率を誇っており、2016年初から2017年で48%、2017年から2018年の間に、40%増と爆発的に成長しており、現在約2700万人のアクティブユーザーを抱えている。直近の四半期(3か月)では、約300万人が新規でROKUを利用開始したという申し分ない実績がある。

また、アクティブユーザー数の増加に比例して、ストリーミングの時間(動画視聴時間)も四半期ごとに長くなっており、2016年から2017年にかけて58%、2017年から2018年にかけては69%の伸びとなっている。

特にこの直近の18か月間の動画視聴時間の伸び率は、過去9年間のROKUという会社の歴史の中で絶頂期にある。

 

ROKUチャンネルの幅広さ

ROKUは独自のチャンネルを持っており、10000の映画やテレビ番組、無料のABCチャンネルやプレミアム有料会員のみのサブスクリプション制の動画など多彩なジャンルを取り揃えており、業界内でも異彩を放っている。

 

Rokuの圧倒的な広告力

Rokuのそのユーザー数の多さからも安易に想像できるが、数百万が常に何かしらの広告を見ており、かつRoku特有の若いユーザー層に簡単に広告がたどり着くのが特徴である。アメリカ国内の18歳から34歳の約10%はRokuを使用しているという統計もあり、若年層をターゲットにしたアニメなどの宣伝はRokuが他社よりも圧倒的に秀でている。また、Rokuでの広告や宣伝は、地上は放送や衛星通信テレビで放送される広告よりも67%以上効果が高いという統計もある。

 

今後も止まらない成長

アクティブアカウントベースでみると、ケーブルテレビ業界でみるとすでに2位という実績を誇り、他社を圧倒している。過去3年で平均600万人が毎年新規で利用を開始する現状からしても、今後の成長がかなり期待できる。現在は中長期的に、米国以外の海外の売り上げのシェアを伸ばすことが今後成長要因の必要条件となっていく模様である。

 

今後の投資領域としては、

1.ビデオ番組の広告収入の拡大、

2.ROKUチャンネルのコンテンツのさらなる拡大と充実、

3.ROKUTVのライセンスシェアの拡大、

4.海外のテレビでのシェア拡大

を主に挙げている。

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トップラインの伸び率が44.81%と驚異的な数字であり、過去と比較しても直近の数字がうなぎ登りであることがわかる。内訳でいうと、プラットフォーム上の収益(広告やサブスクリプション料金)が売り上げの56%を占めており、比較的広告で稼いでいるといっても過言ではない。また費用対効果でみてもプラットフォームの収益費用は全体の売り上げ費用から算出しても29%とかなりコストパフォーマンスに優れている。やはり、広告ビジネスの優等生ぶりがうかがえる。

残念ながら、純利益は過去4年間マイナスで今年も黒字転換まではできなかったものの、純利益成長率は去年と比較すると、86.05%ののびを記録しており、来年の純利黒字化への期待に拍車がかかる。

EPSも純利益同様、依然マイナスであるものの、直近の成長率はやはり勢いがあり、来年への期待が募る。

調整後EBITDAは成長率は鈍化したものの、堅調に推移している。

 

クラウド上の顧客管理プラットフォームの王者、Salesforce(TICKER:CRM)

Salesforce

 事業内容

CRM(Customer Relationship Management)と呼ばれる、企業の顧客管理や顧客データの分析などに使う生データの管理をクラウド上で可能にするプラットフォームを提供している。

 

 Sales Cloud (セールスクラウド)

企業の営業活動を支援するプラットフォームで自動で顧客情報や営業管理、サポート状況、マーケティングデータをクラウド上にアップロードし、そこからAIによって分析されたデータをもとにして、顧客の解約する確率を予測したり、受注案件と失注案件などを比較してなぜ失注したのかという解析をしたりする。そのプラットフォームはSaas(ソフトウェアアズアサービス)として機能しており、モバイルアプリやブラウザベースでもアクセスが可能である。また、リアルタイムで利用者の反応やフィードバックをシェアでき、その情報も分析情報の一部として自動で追加される。

 

Marketing Cloud(マーケティングクラウド)

合理化、自動化、モバイル化を軸にマーケティングをあらゆる面からサーポートしデジタルマーケティングへと進化させる。こちらもモバイルアプリからいつでもどこでもアクセス可能。自社で提供しているEinsten Analyticsという人工知能分析ツール を使い、関心度が高いと予測される顧客タイプや層を検出し、提案することができる。

 

 Commerce Cloud (コマースクラウド)

消費者行動データ(アクティビティ、注文、在庫)を統合、分析し、さらなる顧客満足度を高めるためにあらたな商品の提案をしたり、また顧客一人一人に合ったサービス提供を提案、可能にする。

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 売上高は非常に堅調に推移しており、成長率も二ケタ台と高水準である。総収益の推移も申し分なく上昇基調にあり、成長率も25.19%と著しく良い。純利益も2016年以降黒字転換しており、このままのプラス成長が保てるかどうかが肝である。

研究開発費が年々増加しており、負債やキャッシュフローが心配だが、実際フリーキャッシュフロー毎年格段に良好になっており、負債が増加しているがそれをカーバーできる範囲で推移しているのがわかる。




 

新分野、人工知覚技術の注目企業、KUDAN

人工知覚技術の新規マザーズ上場会社、KUDAN

 

Artificial Perception (人工知覚技術)とは、いわゆる機械の目、視覚となる次世代のAIやドローン、自動運転などあらゆる分野に欠かせない、もしくは応用できる技術である。

機械が3次元空間を理解し、モノを運んだり、障害物をよけたりできるのはこの技術の発展にかかっているといっても過言ではない。この人工知覚技術は空間把握と立体感覚を処理する様々な空間認識技術により成り立っている。

 

3D空間認識技術 ”SLAM”

 

SLAMとはSimultanious Localization And Mapping の略であり、基本的には自分が今どこにいるのかという予測をする。カメラやセンサーから得た情報をもとに3Dの地図を作製したり、物体までの距離を把握できる。

その中でも、KUDAN SLAMの最大の特徴はその技術を組み込むときの柔軟性にある。特定のハードウェアにリンクせずに、どんなハードウェアにも柔軟に対応、実装できるのが最大の武器である。

 

次世代の技術の橋渡し的プレーヤー

 

ロボティクス、AR,VR,ドローン、自動運転などあらゆる分野での応用ができるこの技術は、将来、さまざま企業に技術提供ができ、需要も拡大する見通し。さらに、その技術提供によって得た多岐にわたる技術的知見は次世代の黒子的なプレーヤーになるだろう。

人工知覚技術はまだ新しい分野で、2028年ごろには、AIやIOT関連の市場規模の約10%を占める見通しが立っている。

 

競合が圧倒的に少ない

これまで、GOOGLEやMicrosoftが開発を進めてきた,Project Tango や Holo lensなどは、専用のハードウェアやデバイスを用いてARを提供するものだが、KUDANが持っている技術は専用のハードは必要とせず、比較的安価なものでにも実装可能であり、まさに技術的なブレイクスルーを達成している。

 

リスクの低いライセンス収益

KUDANの収益の構造として、ライセンス収益が主である。企業にKUDAN SLAMを導入したり、またその導入したものを発展、開発したり、また、研究開発用に技術提供したりするときのライセンス契約料が主な収益であり、在庫リスクはゼロで、いったん大口の顧客にサービス導入がきまれば、長期間を通して安定した利益を積み重ねることが可能。

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在庫最適化ソフト開発、去年(2018年)12月マザーズ上場の今後注目企業 ”リンク”

世界中の無駄を10%削減する

小売、卸売り、製造業という3つの業界をターゲットに在庫の完全な自動最適化を目的に開発、販売を行っている。

リンクが開発をしているソフトウェアパッケージ ”sinops (シノプス)”は,Strategic Inventory Solution(戦略的在庫最適化ソリューション)をもじって、造られた造語であり、3つの領域での汎用が目的とされている。

事業内容

小売り業用のパッケージだとSinops R6と呼ばれる、需要を予測し自動で発注するシステムを開発している。これにより、無駄な在庫を削減しコストのカットによるキャッシュフローの改善、また自動化による人員削減で人件費カットなどあらゆる面でで収益アップにつながる。

また、それに付随するアプリの開発、実装サービスも行っており、Sinops PadやSinops GOTと呼ばれる発注作業を効率化するために使われるアプリなどパッケージ群として相互に価値を生み出すような提供の仕方をしている。

 

卸売り業の提供するのは、Sinops Wと呼ばれるキャッシュフローの最適化システムであり、こちらも人員削減、無駄な在庫削減、欠品削減という在庫管理にはもってこいのコンテンツになっている。

 

最後に製造業。Sinops Mは中長期の需要を予測するシステムであり、常に治療の在庫を確保し販売しなければならない製造業にとって、在庫がかさばりたまっていくのを自動予測によりあらかじめ防ぐことができるというかなり画期的なものである。

主力は小売り向け

売り上げに占める割合は、小売り向けのSinopsR6が圧倒的に多く、国内のアプリを含む稼働店舗数は4392店舗に達成している。また、納入予定も拡大傾向であり、今後も主力分野は伸長する見通しである。現在、主要な販売先としては、ダイエー、日本アクセス、イシダであり、特に日本アクセスの売り上げ高に占める割合は27.2%とかなり高い。

 

自動予測のメリット

ある小売店でたとえば、卵を100円値下げすると、過去の卵の需要データから販売個数がどのくらい上昇し、さらにそれが全体の収益にどれくらい影響をあたえるかを瞬時に数値化できる。また、隣で売られているほかの卵の販売数はどのくらい減少するのかなど、他商品への影響も総合的に数値化できるのが特徴である。

 

自動発注のメリット

日用品、食品、雑貨などは国内の消費量からも発注量が多く、特に生もの、総菜などは製造からの販売可能期間が短いゆえに、発注、検品作業が比較的多くミスなども発生しやすい。また農作物などは、天候や時期にも発注量、販売量ともに左右されるため、自動発注による欠品や廃棄のロスはかなり削減できる。

 

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