キャッシュレス化への流れは必然?! 日本の決済事情の現状をまとめてみた。
- 2017年の日本の電子マネーによる決済金額が5兆1994億円で、問題なのは、世界では、電子マネーによる決済が爆発的に増えているにもかかわらず、日本の伸び率は前年と比較してわずか1.1%
- Suica(スイカ)など交通系5社とEdy(エディ)、WAON(ワオン)、nanaco(ナナコ)の8社の合計額で、電車などの利用分は差し引いてあるという条件付きだが、それにしても世界の趨勢とは大きくかけ離れている。
- モバイル決済の世界市場予測は2020年の段階で3.8兆ドル(約400兆円
- 2017年が1.2兆ドル程度であることを考えると、今後の3年で3倍に増えると予想されている。
- 日本銀行が1年前の2月に発表したデータによると、紙幣や小銭を合計した現金流通高に対する名目GDP(国内総生産)比率では19.4%に達する。日本の名目GDPは550兆円ぐらいだから、110兆円ぐらいの現金が流通していることになる。実際に、2017年末時点で流通しているお札の額は106兆7000億円(日本銀行調べ)
- 先進国と比較してみると、ユーロ圏では10.6%、米国は7.9%、英国に至っては3.7%
- 世界の潮流は「キャッシュレス化」。電子マネーやクレジットカード、仮想通貨などの普及によって、中国やインドなどの人口の多い地域で爆発的にキャッシュレス化が進んでいる。
- 今後2027年6月までの10年間でキャッシュレス決済比率を4割程度に目指すことを決めている。
- 中国にはアリババの「Alipay(アリペイ)」、テンセントの「WeChat Pay(ウィチャットペイ)」が「QRコード」を使った決済システムを展開しており、急速にそのユーザー数を増やしている。
- 中国は、モバイル決済先進国とも呼ばれています。クレジットカードの利用率も高いですが、スマホ利用者の98%がモバイル決済を利用している
キャッシュレス化によるメリット
- 銀行のATMは不要になり、コンビニのATMも不要になる。
- 銀行も、店舗の中に巨大な金庫をつくる必要がない。
- 中央銀行が現金を印刷する必要がない。1万円札1枚を印刷するのにかかるコストは22円程度かかる、500円硬貨などコインの鋳造コストはもっと高い。
デメリット
- 地方銀行の平均的な純利益の額は約147億円(2016年3月期)だが、その約13%はATM手数料で稼ぎ出している。
- ATM手数料だけで利益を稼いでいるセブン銀行では、純利益261億円のうちの99%をATM手数料で稼いでいる。
- 銀行経営の悪化に直結する
- フィンテックの進展によって、2025年までに銀行の収益が最高で4%喪失するという予測も経産省のレポートで発表されている。
- 高齢化の中で拡大するデジタル・デバイド問題への対応 -----> 一般的にスマートフォン等のデジタル端末への適応に障壁を感じると される高齢者層等にどのようにアプローチするか。
今後予測
- 三菱UFJフィナンシャル・グループが進める「MUFGコイン」や、みずほフィナンシャルグループが推進する「Jコイン」などが、今後稼働を始めれば日本経済にも大きなインパクトを与える
- ブロックチェーンによる個人情報管理などの推進が進めば、日本の非効率的な行政サービスも、飛躍的に改善。
- 個人情報の新管理システムの構築化は、現金流通の進捗具合と大きく関係
- デフ ァクトスタンダードと呼べる、業界共通の個人間送金・支払サービス、QR コードや 生体認証等のサービスの整備の検討は有効
- 「月の利用額がすぐに分かるアプリ」や「利用状況のアラート設定(例 えば、月に累積 3 万円の利用に到達したらスマートフォンのアプリを通じプッシュ 通知を送る等)」や「利用限度額及び利用業種制限の柔軟な設定」を行えるように することで、キャッシュレス支払サービスの使いすぎに対する不安感を除去するよう な仕組みを実現できる。これは支払サービス事業者が、家計簿サービスを提供す る FinTech 企業等と共同で実施することも考えられる。
政府主導の政策
”「FinTech」 – 先進国に比べていまだに現金取引比率が高く、また中小企業の IT 活用も 限定的であることから、FinTech 導入による大きな効果が期待できる。 → 利用者にとっての金融関連サービスの利便性を飛躍的に向上させ るとともに、企業の資金調達力や生産性・収益力の抜本的向上につ なげていく”
- 2017 年 3 月に「クレジットカードデータ利用に係 る API 連携に関する検討会」を立ち上げ、カード会社と FinTech 企業等との API 連携のあり方について検討を開始
- キャッシュレス ビジョン 資料
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf
「QRコード」関連株
- QRコードをベースにしたスマホ決済ツール「PayB(ペイビー)」を展開するビリングシステム <3623> [東証M]、
- QRコードを活用した電子通貨サービス「MONEY EASY(マネーイージー)」を手掛けるアイリッジ <3917> [東証M]、
- QRコードの読み取りアプリを扱うメディアシーク <4824> [東証M]、
- 子会社がQRコードを用いたデジタルウォレット「pring(プリン)」を提供しているメタップス <6172> [東証M]、
- 子会社がモバイルペイメント対応マルチ決済端末を販売しているテクノホライゾン・ホールディングス <6629> [JQ]、
- バーコードリーダー大手のオプトエレクトロニクス <6664> [JQ]、
- 銀行口座直結型スマートフォン決済サービスの提供を目指しているエムティーアイ <9438>
- さまざまなカード決済に加え、国内外で普及が進んでいる非接触型ICクレジットカードにも対応できる据え置き型マルチ決済装置「インクレディスト・トリニティ」を7月に発売するとしているフライトホールディングス <3753> [東証2]
- イオン <8267> は16日、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(東京都千代田区)とキャッシュレス決済で連携すると発表。19年3月から20年3月にかけて、全国のスーパーやドラッグストアなどグループ各店舗約10万台のレジに、Visaのタッチ決済が可能な端末を順次導入し、訪日外国人に対応する構え