長期投資研究ブログ~50年後の未来~

米国、日本株の注目企業分析、新テクノロジー分野の市場分析

ソフトバンク出資、インドで圧倒的なシェアを誇るE-Grocery(イーグロセリー)スタートアップ、Grofers(グローファーズ)

 

ソフトバンクビジョンファンドのポートフォリオである
Grofers(グローファーズ )とは?

 

グローファーズは、インドで食料雑貨品及び日用品の配達サービスを展開するスタートアップである。今日の夕飯の買い出しが面倒、1週間分の食料品や今月の日用品をまとめて購入したいなど様々な場面で利用されるサービスです。イメージとしては、食料品等をまとめて配達してもらえるアマゾンパントリーに似ています。特にインドのバンガロールやムンバイなどの大都市では交通渋滞が深刻な社会問題となっており、買い出しに行くのに何時間もかかるという問題の解決に貢献しているのです。

商品の品揃えも豊富で肉や魚、果物、野菜、パン、冷凍食品など食料品はもちろん、ペット用品、キッチン用品、掃除用品、旅行用品などまで購入できる。

サービスの流れは、

1. アプリから欲しい食料品を選び、オーダーする。

2. 購入者の住所から最も近い倉庫が注文を受け取り、倉庫の従業員が綺麗に整列された在庫の箱の中から注文の品を集める。(Amazonのように倉庫内の自動ロボットなどは導入していない。)その都度、賞味期限なども従業員によって視認で確認される。

3. 全ての注文品が揃うと、会計担当者がバーコードでスキャンし、領収書等を発行する。

4.食料品と雑貨品は分かれてプラスチックの袋に梱包され、配送準備がされる。

5. 配達用のバンに注文品が積荷され、住所まで配達される。

6. 受け取り時に商品を確認し、もし必要ない商品があればその場で返品することが可能で、自動的に返金される。

 

配達時間は遅くとも90分以内に可能であり、それ以降も時間を指定して配達して欲しい時間を選択できる。

サービスの流れは、一般的なEコマース業者と変わりないが、商品の返品対応まですんなり受け付けているところが消費者にはとても優しいと感じますね。

 

会社概要

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消費者の家に届けるグローファーズ

グローファーズは、インドの金融とIT企業がひしめく都市グルガオンを本拠地とする従業員数約3000名のメガベンチャーである。現在インドの大都市を中心に18(グルガオン、バンガロール、デリー、ムンバイ、チェンナイ等)の都市に跨ってサービスが提供されており、今後も拡大する見通しである。

 

ビジネスモデルは?

 

お金の流れはシンプルで、ローカルのストアと提携し、業者側はグローファーズのオンラインプラットフォームを通じてインド中からの注文数を増加させることが可能になり、売り上げがこれまで以上に伸ばせる。グローファーズはプラットフォーム使用料金として8%〜15%の手数料で儲けるという仕組みである。総合注文数が多ければ多いほど手数料も上がるという訳である。

 

資金調達額は?

 

現在の資金調達額は$597.1M(約650億円)にものぼり、ソフトバンクビジョンファンドの他にシリコンバレーの老舗VCであるセコイアキャピタルやタイガーグローバルファンドから複数回に渡って資金調達を行なっている。

 

市場規模は? 

 

現在、インドでオンラインを利用して食料品等を購入している人の割合はかなり低く、0.15%程度と1%にも満たない割合である。これはローカル店舗の数の多さと買い出しに行く文化的な背景によるものらしいが、あまりにも低すぎてビックリだ。今後2023年までに約70%程度のCAGR(年平均成長率)を見込んでいるという驚愕の成長市場である。ソフトバンクビジョンファンドがインドのスタートアップへの出資が多い理由にはこの成長ポテンシャルの凄まじい数字によるものかもしれない。