中国のユニコーンフィンテック企業、OneConnect Financial Technology (ワンコネクトフィナンシャルテクノロジー)の今後はどうなる?
One Connect って?
OneConnectは1000億円以上の企業価値を誇る中国のユニコーン企業である。(企業価値約$4.86B)。金融クラウドプラットフォームを提供するフィンテック企業である同社は12/13にNYSEでトレードできるようになった。$12-$14の価格帯で3600万株のADSの売却を行い、新たに$438.2M-$504.6M の資金をマーケットから調達する予定であったが、初値は約$10.50で現在の株価は$10.03で推移している。
2018年にソフトバンクの$750Mの出資を受け、企業価値$7.5Bだったことを考えるとかなり価値は半減したが今後の成長次第では潜在価値は高いと考える。同社は最新テクノロジー、主にAI、ブロックチェーン、ビッグデータの分野の金融分野において多数の特許を取得しており、技術的なブレイクスルーを起こしてきた実績がある。
OneConnect Financial Technology (ワンコネクトフィナンシャルテクノロジー)の事業内容
ワンコネクトフィナンシャルテクノロジーは中国のメガバンクや中小金融機関向けのテクノロジー活用ソリューションを提供しており、中国SaaS企業の代表格である。中国の大手保険会社Ping Anの子会社でもある。
主要テクノロジー
AI:
1.金融機関の口座の書類プロセスの自動化
2. ポートフォリオ損益評価額の自動評価
3. カスタマーサービスの自動化、最適化
4. ロボアドバイザー
5. リスクマネジメントモデルの構築
6.デジタルローン
7.デジタルマーケティング
AI分野では772の特許を保有しており、ガンマAIリサーチラボと呼ばれるAI技術の研究所を創設している。ミクロエクスプレッションテクノロジーを活用したID詐欺の防止、そして融資するときの面接を自動で行うことにより人件費の削減にも効果がある。
ブロックチェーン:
1.処理能力の高いトレードプラットフォーム
2. ブロックチェーンによるセキュリティー
3. トレードの透明性
香港金融管理局の国際トレードのプラットフォームとしてワンコネクトのFIMAXが使用されており、高いセキュリティーと質が確約されている。
ビッグデータ:
1.IT企業や金融機関から蓄積された膨大なデータ
2. データの簡単な利用
3. データガバナンス
4. リスクマネジメント
ビッグデータにより高いコンプライアンスや効率的なデータの利用、カスタマイズなどが可能になる。
まとめると、ワンコネクトの主なプラットフォームは5つで、
1.セールスマーケティング
2.プロダクトディベロップメント:デジタルローン
3.リスクマネジメント:AIによる詐欺やクレカの不正使用などの防止
4.オペレーション:AIカスタマーサービス、コンプライアンス
5.テクノロジーインフラ:ガンマー0(オープンAPIプラットフォーム)、クラウドマネジメント、ブロックチェーン
成長性は?
2017年から2018年までに142.9%の売上の伸びを記録している。2018年の1年間で顧客は1600から3500と2倍以上に成長し、赤字ではあるが、2015年に創設されたばかりのことを考えるとここまでの急成長ぶりは圧巻デアある。売上に対する純損失は年々減少しており、104.3%から67.5%まで順調に損失に対して売上が急拡大しているのがわかる。
ワンコネクトの将来性
この企業のすごいところはまさに中国国内のシェアの高さにある。中国の99%のメガバンク、46%の中小金融機関がワンコネクトのプラットフォームを利用しており、ストック収入の堅調さは今後も続くと見ている。
中国の金融機関がテクノロジーに対して投資をする割合は年々高まっており、2018年は152.2B中国元ものお金がテクノロジー投資に使われており、2023年までに400.8B中国元(年間成長率は21.4%)に増加することが予測されている。
また、中国国内だけでなく、香港、日本、タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国とアジアでの事業拡大、顧客獲得に専念しており、アジアの金融都市のプラットフォーマーになれる可能性も十分にあると考える。
SBIとの提携
また、2019年12月19日にはSBIと共同でSBIOneconnect Japanを設立し日本進出をしている。地方の金融機関の活性化に向けてのSBIというバックがいることで日本でのシェアを高めることになるだろう。